目次
原本証明とは?
原本証明とは、原本そのものを提出できない書類でその写しを提出する際に、原本の写し(コピー)であることを申告者名義で証明する書類です。
主に行政機関等への書類申請や、金融機関との取引などで提出を求められます。
定款の原本証明
定款とは、会社(法人)を運営していくためのルールをまとめたもので、会社設立の手続きで必ず作成しなければならない書類のこと。
定款の原本は、会社と公証役場でそれぞれ1部ずつ保存され、会社では永久保存、公証役場では20年保存されます。
定款には会社の基本的な情報が記載されています。このため、行政機関への申請や金融機関との取引などで、定款が求められることがあります。しかし会社に保存されるべき原本を提出するわけにはいかないので、原本の写し(コピー)を作成し、その写しを原本証明して提出するわけです。
定款の原本証明が必要な手続きや申請にはどんなものがある?
定款の原本証明が行政機関への申請や金融機関との取引で使用されることがあると上記しましたが、実際にどんな時に必要になるのか、代表的な例を3つご紹介します。
- 法人設立手続き
会社を設立した場合、その設立から2か月以内に税務署において「法人設立届出書」を提出しなければなりませんが、その際に必要になる場合が多くあります(原本証明がいらない場合もあります)。
- 行政機関への申請
例えば助成金や補助金の申請をする場合に必要になる場合が多くあります。
- 金融機関との取引
法人名での銀行口座開設や、大口取引などで必要になる場合が多くあります。
原本証明のやり方は?
原本証明には決まった書式はありませんが、一般的な記載事項があります。
基本的な記載事項は5項目
- 提出する書類が、間違いなく原本の写しに相違ないことを証明する記載
- 申請書類の申請日に合わせた年号と日付の記載
- 申請書類と一致する住所の記載
- 正式な会社名
- 申請者の役職・氏名・印鑑 (※申請者の役職は、株式会社なら「代表取締役」など、会社の代表者となります。印鑑は、押印に代えて直筆署名が認められる場合があります。)
定款の原本証明(サンプル)
契印について
原本証明をする書類が複数枚ある場合は、書類に契印が必要になります。契印とは、2枚以上の書類が1つの連続した文書であることを証明するための押印のことです。契印があることで、書類の中抜きや差し替えなどの不正を防ぐことができます。複数枚の書類をホチキス止めした文書に以下のように契印を押します。
書類の枚数が多い場合は、製本作業が必要になります。製本とは、製本テープを用いて書類をまとめたものを指します。この場合は、以下のように契印を押します。
手間がかかる契印を一挙に済ませる「契印機」
契印機とは、文書に穴文字や記号を打ち抜くことで、割印や契印の役目を果たす機器。
一度にまとめて打ち抜くことができるため、割印・契印もれや、文書の改ざん・偽造を防ぎ、保証・証明・確認などの役割を果たします。
また、文書の綴じ込み(ステープラー)も同時に処理できます。
仕事の能率アップ、スピードアップ、そして確実性アップのために。
「契印機」の導入をぜひご検討ください。
押印の廃止化が進んでいるが、定款の原本証明は?
令和2年7月17日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2020」及び「規制改革実施計画」に基づき、政府全体として押印の見直しを求められ、商業・法人登記手続についても押印規定の見直しがされました。
これにより押印の一部廃止が認められましたが、定款の原本証明提出の際は押印が必要な場合があり、また2枚以上の書類にまたがる「契印」に関しては、押印が必要です。
法務省「申請書、各添付書面等の押印の要否について(商業・法人登記)」
手間がかかる契印にお困りなら、契印機をご検討ください。
- 穴文字や記号を打ち抜くことで、契印(割印)の役割を果たします
- 一度にまとめて打ち抜くため、契印もれを防ぎます
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まとめ
- 原本証明に決まった書式はないが、記載すべき項目は以下の5項目ある
- 提出する書類が、間違いなく原本の写しに相違ないことを証明する記載
- 申請書類の申請日に合わせた年号と日付の記載
- 申請書類と一致する住所の記載
- 正式な会社名
- 申請者の役職・氏名・印鑑
- 原本証明の書類が複数枚ある場合は「契印」が必要
- 行政では現在押印の廃止が進んでいるが、原本証明の「契印」は必要
- 手間がかかる契印にお困りなら「契印機」をご検討ください